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武田クリニックメールマガジン 第182号

2011.03.15

守田医師より

今年はスギ花粉の飛散量が昨年の5~10倍とも言われており、
スギ花粉症の患者さんは昨年より症状の強い方が多いようです。

さて、そんな花粉症の患者さんから、
「花粉症の注射はやってませんか?月に1回でいいとか・・。」 とのお尋ねを時々うかがいます。
まずは、当院では花粉症の注射はやっていないことをお知らせします。

皆さんの中には、「そんな注射があるなら、花粉症で苦しむみんなに打てばいいではないか」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くの医療機関では花粉症の注射は施行していないと思います。
なぜなら、「花粉症の注射」=「ステロイド注射」だからです。

ステロイドは様々な疾患に有効な、重要な薬剤の1つですが、
易感染性、代謝内分泌系への影響(高血圧、高血糖など)、
消化性潰瘍、骨そしょう症などの多くの副作用がある薬剤でもあります。

よって、ステロイド製剤は限られた疾患に使用し、慣れた医師が用いるべき薬剤であり、
多くの疾患では、他の選択肢では効果不十分な場合に限って使用されることが多いのです。
花粉症には様々な薬剤がありますので、それらを組み合わせて使用すれば、症状は軽減できます。

ましてや、花粉症は命にかかわる疾患ではありませんので、
ステロイドの使用について、多くの医師は不適切であると考えます。

当院に通院されている患者さんは既に、糖尿病や高血圧症、脂質異常症などをお持ちの方がほとんどですので、ステロイドの使用はこれらの疾患を悪化させます。

以上のような理由より、他院で花粉症の注射をやっていても受けないように、よろしくお願いいたします。 なお、花粉症治療に用いるステロイドの点鼻薬、低濃度のステロイド点眼薬などの局所使用のステロイド剤は全身的な副作用の心配はないので安心して使用してください。


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