武田クリニックメールマガジン 第101号
2007.10.30
上原医師より
秋涼の候、皆様おかわりなくお過ごしでしょうか。
さて、糖尿病のある人で高血圧症を併せ持つ人がどのくらいいると思われます?
ある統計では、なんと2人に1人だそうです。
血糖値の管理同様、糖尿病患者さんにとって血圧の管理はとても大事です。
外来診療において「先生のところに来ると高くなっちゃう」とか「急いできてすぐ測ったから」と、よくお聞きします。
白衣高血圧という病態もあるように、確かにおっしゃる通りです。
もともと血圧は変動のあるものですから、このような方は家庭血圧の測定をお勧めします。
家庭用の血圧計なんて・・・と思われる方もおられるでしょうが、国家検定にパスした血圧計はとても高い精度があり、臨床的見地からの議論でも許容範囲ということになっています。
家庭血圧の測定において注意する点は、まず糖尿病のある人は「上腕式血圧計」を選びましょうということ。また血圧の測定する時間は、朝がお薦めです。起床後1時間以内・排尿後・座位・1~2分間の安静後・服薬前・朝食前にというのが推奨されています。
そして、「糖尿病患者の血圧の目標値は特別です!」ということを忘れずに。糖尿病患者さんは130/80未満が目標ですが、家庭では身体も心もリラックスしているため血圧が低めになるので家庭血圧では125/75未満程度を目指してください。
これから寒さがますます厳しくなり血圧は上がりやすい季節となりますから、これを機会に皆さんも家庭血圧の測定を始めみては。